私的評価
ねじめ正一著『認知の母にキッスされ』を図書館で借りて読みました。認知症の母親を介護する著者の介護日記です。介護の内容を読んでいると、その大変さや母親に対する想いがヒシヒシと伝わってきますが、著者の軽快な文書はとても面白くて、何度も笑わされました。介護の場所は実家から病院、そして施設と代わりますが、ほとんど毎日通って います。時には母親に罵倒され、妄想に相槌を打ち、下の世話をし、食事の世話。 私にも認知症一歩手前(MCI:軽度認知障害)の母親が居ます。著者と同じように、介護と真正面から向き合うことができるのか…、今のとこそんな自信は全然ありません。
ねじめ正一さんのことは知っていても、氏の著書は初めて読みました。とても面白く、その他の本もを読んでみたいと思います。
★★★★★
『認知の母にキッスされ』とは
出版社は中央公論新社、発売日は2014年11月。内容紹介
ある日、デイケア先で喚きはじめた母は、気付かぬうちに認知症を発症していた。息子は、母の「妄想」を聞き取り始めた…。生きることのおかしみやユーモア溢れる“介護小説”。母との別れを描く最終章も書き下ろしで収録。
今日も明日も介護の日々。そして、認知症の妄想は、加速していく――まったく新しい体験的“介護小説”ある日、デイケア先で喚きはじめた母は、気付かぬうちに認知症を発症していた。介護のために毎日、母の元へ通い始めた息子は、一語一語逃さぬよう、母の「妄想」を聞き取り始める……。「介護」というシビアなテーマでありながら、著者の体験を元に、なれない介護に振り回される姿が描かれ、ホッとする読後感のある作品。単行本刊行から3年、文庫版では、段々と妄想も減り、そしてついには、何も話さなくなった母・みどりさんとの日々が加筆されます。言葉無く眠り続けるベッドの脇で巡らした思いとは、そして……。
目次
ケロリン
大マザコン
パソコン電車
セシマショーゾー
おしっこの音
ナックルな夜
ハクビシン
完食
もしもし
初孫
母の家
踏切り
貼り紙
どら焼き
母の歳時記
著者紹介
ねじめ正一[ネジメ ショウイチ]
1948年東京都生まれ。青山学院大学経済学部中退。父は俳人のねじめ正也。阿佐谷パール商店街で「ねじめ民芸店」を営む。81年、詩集『ふ』で第31回H氏賞を、89年、小説『高円寺純情商店街』で第101回直木賞を、2008年、小説『荒地の恋』で第3回中央公論文芸賞を、09年、小説『商人』で第3回舟橋聖一文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
紀伊國屋書店
感想・その他
著者のねじめ正一さんのことを、どうして知っているのだろうか。名前はもちろん、顔まで思い出すことができます。本も読んだことがないし、どうしてなんだろうと思い、Wikipediaで調べてました。テレビ出演はほとんど無いのですが、「たけしの頭の良くなるテレビ」でレギュラー出演していました。この番組は観ていた覚えがあるので、それででしょう。因みに、苗字の「ねじめ」は、漢字では「禰寝」と書くそうです。
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