私的評価
近藤史恵著『昨日の海は』をAmazonのPrime Readingで読みました。近藤史恵さんの文書はスッと入ってくる感じで読みやすく、もちろん内容も面白い。とは言え、あっと驚くような結末がある訳でもありませんが、それでいて最初から最後まで引き込まれて読めてしまいます。ただ、主人公の祖父母の心中の謎の動機については、普通に考えても納得できないと感じてしまいました。
★★★★☆
『昨日の海は』とは
内容紹介
出版社はPHP研究所、発売日は2015年7月17日。『サクリファイス』『タルト・タタンの夢』などで話題の著者が、海辺の町を舞台に、青年のひと夏の冒険と成長を描く、切なくてさわやかな青春ミステリー。
いつも通りの夏のはずだった。その事件のことを知るまでは……。海辺の小さな町で暮らす高校生・光介。夏休みに入ったある日、母の姉・芹とその娘の双葉がしばらく一緒に暮らすことになった。光介は芹から、心中と聞かされていた祖父母の死が、実は「どちらかがどちらかを殺した」無理心中事件であり、ここで生きていくために事実をはっきりさせたい、という決意を聞かされる。カメラマンであった祖父とそのモデルも務めていた祖母。二人の間にいったい何が起こったのか。
残された写真が語るもの、関係者たちの歪んだ記憶、小さな嘘……。そして真相を追う光介が辿り着いた、衝撃的な事実とは……。
著者紹介
近藤史恵[コンドウ フミエ]
1969年、大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒。93年、『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞してデビュー。2008年、『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞。</p>著書に、『タルト・タタンの夢』のほか、『天使はモップを持って』『あなたに贈る×(キス)』『昨日の海と彼女の記憶』『みかんとひよどり』などがある。
PHP研究所
感想・その他
近藤史恵さんを認知し小説を読み始めたのは、『サクリファイス』を始めとした自転車ロードレースを舞台にした作品からです。一部の人間にしか分からない、そして興味のない自転車ロードレースを題材とした小説で、大藪春彦賞受賞作や本屋大賞では第2位に選ばれなどしたのは、すごいとしか言いようがありません。自転車ロードレースを知らない人でも入り込めたというのは、それだけ近藤史恵さんの文書が分かりやすく、読みやすくいからではないでしょうか。このシリーズ、どれも面白いんです。因みに、最初に『サクリファイス』を読んだ時は、近藤史恵さんは男性だと思っていました。
リンク
0 件のコメント:
コメントを投稿