私的評価
映画『特捜部Q Pからのメッセージ』を観ました。観た当時はAmazonプライムビデオでは有料(20230309現在は会員特典で観られます)でした。
今回の犯人は、母親が宗教にのめり込み家庭を崩壊させ、犯人とその姉を児童虐待している家庭に育ちました。姉は顔に火傷を負わされ、それで失明しています。そしてとうとう犯人(小学高学年頃?)は母親をハサミを使って殺してしまうのです。そんな壮絶な過去と曲がった宗教観を持った犯人は、姉には深い愛情を持ちつつ、他者には殺人を犯すという人間になってしまいます。このシリーズの犯人は誰もが過去に大きな心に傷を負った者ばかりで、人生を狂わされた悲しい人たちです。
昨年(2022年)の首相暗殺事件から問題提起された日本の宗教問題。しかし、どこの国でも同じなんですね。劇中でアサドが自身の信仰感について話していた「信仰とは心が休まるもの」が本来の宗教なのではないでしょうか。ラストの讃美歌のシーンで見せるカールの涙がとても印象的でした。
★★★★☆
作品概要
監督はハンス・ペテル・モランド。脚本はニコライ・アーセル。
原作はユッシ・エーズラ・オールスンの特捜部Qシリーズ。
製作はルイーズ・ベス、ピーター・オールベック・イェンセン。
主演はニコライ・リー・カース、その他出演者にファレス・ファレス、ポール・スヴェーレ・ハーゲン、ソーレン・ピルマーク、ジョアンヌ・ルイズ・シュミットほか。
2017年製作のデンマーク・ドイツ・スウェーデン・ノルウェー合作のサスペンス映画です。北欧ミステリーの代表作として、欧米や日本でも大人気の「特捜部Q」シリーズの第3作目の映画です。『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』スタッフが三たび実写化しました。
作品の紹介・あらすじ
解説・あらすじ
デンマークの作家ユッシ・エーズラ・オールスンの人気ミステリーシリーズ「特捜部Q」の映画化第3弾で、北欧の権威ある文学賞「ガラスの鍵賞」を受賞した「Pからのメッセージ」を映画化。コペンハーゲン警察で未解決事件を担当する特捜部Qに、新たな捜査依頼が舞い込む。海辺に流れ着いたボトルの中から「助けて」と書かれた手紙が見つかったのだ。手紙は7、8年前に書かれたもので、インクのにじみが激しく、ほとんど解読することができない。差出人の頭文字「P」を頼りに行方不明者の割り出しを進めた特捜部Qのメンバーたちは、やがて衝撃の事実にたどり着く。キャストには「天使と悪魔」のニコライ・リー・カース、「ゼロ・ダーク・サーティ」のファレス・ファレスらおなじみのメンバーが続投。監督は前2作のミケル・ノルガードに代わり、「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」のハンス・ペテル・モランド監督がメガホンをとった。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2017」上映作品。
映画.com
感想・その他
主人公カール役は、ニコライ・リー・カースというデンマーク出身の俳優さんです。背がとびきり高くてイケメンとは、間違っても言えません。相棒のアサド役のファレス・ファレスの方が断然格よいのです。しかしそんなニコライ・リー・カースですが、哀愁を帯びたいい演技をしてくれるんです。第2作目『特捜部Q キジ殺し』の「感想・その他」で書きましたが、このシリーズは原作は第8作まであり、第5作(2021年)まで映画化されているようです。またもう1作観られると喜んでいましたが、なんとニコライ・リー・カースは主演していないようなんです。もっと言えば、主要メンバーであるアサドとローセも変更されているようです。このニコライ・リー・カースとファレス・ファレスのコンビで観たいのに、なぜ代わってしまったのか。残念で仕方ありません。でも、Amazonプライムビデオで観られるようになったら一応観てみますよ、どんな「特捜部Q」になっているのか確かめるために。リンク
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